yandyandy’s diary

心臓リハビリテーション指導士から、心臓を持つすべての人へ

エビデンスと個別性

成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017)、心疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021)を勉強中です。ガイドラインというだけあって、かなりのボリュームなのでスマホの小さい画面ではなかなか疲れます。

ガイドラインにはエビデンスが明記されていて、科学的根拠に基づいて有用性が証明されているのか、所謂エビデンスレベルが高いのか確認が出来ます。分類はこんな感じです。

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先天性心疾患を持つ小児への運動療法エビデンスはこちら。

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科学的根拠があり、基本的には推奨されます。今回のテーマにしたいのは、この注意書きです。『疾患特異性を十分に考慮して行うことが望ましい』…疾患特異性。

これは、単なる疾患による違いだけではなくその子の病態、手術内容、肺を始め他臓器の状態、年齢…様々な状況を踏まえて行う必要があるということだと思っています。つまりは、個別性。

これは先天性心疾患の小児に限らず、運動療法はどの疾患においてもこの個別性が重要になります。同じ疾患でもその人の個人因子によって同じことをしても反応は異なります。

 

高齢者へのリハビリでも、私達セラピストは疾患の話以外にも若い頃の話や家族の話、生まれ育った地元の話、好きな歌手の話、嫌いな食べ物の話…様々な話をしながら情報収集しています。その人の話すひとつひとつのエピソードがその人を作り上げているんです。

だから、私は訪問リハビリが好きでした。その人の生活が家から見えてきて、家族との関わりからその人の生きてきた歴史が見えるのです。

 

成人先天性心疾患の方々ともそうやって関わってみたいと思っています。疾患名から基本的な心臓の状況と必要な運動や禁忌を想像します。これは、教科書やガイドラインで教えてくれます。そこに当事者の方々から聞いた様々なエピソードを加えていって、生まれる前から一緒にいる心臓がどうやって今の状況に至ったのか。その人の心臓が歩んできた歴史を一緒に理解して、これからの人生をどうやって生きていくのか、一緒に考える人になりたいと思っています。

成人になる前の子ども達、特に乳幼児期は、まだまだ歴史は浅いけど心臓としては一番激動の時代だと思います。その激動の時代を乗り切った子ども達が自分の心臓をどう捉えているのか、これからの長い人生をどう歩んでいきたいのか、親や友達、学校、周りの人達とどう関わっていきたいのか、たくさん話を聞きたいと思っています。

 

理学療法士ですが学会発表する訳でもなく、臨床で結果を残してる訳でもなく、知識も経験も然程ない私に何が出来るのか分かりません。医師や看護師のように医学的フォローも出来ない、社会福祉士のように社会的フォローもできない、カウンセラーや臨床心理士のように精神的フォローも出来ない。でも、なんかしたい。こんな人がいてもいいと思うんです。だから、こんな人と一緒になんかやりたいと思ったら是非声をかけてください。私、1人でやる気全くないので、力を貸してください(笑)

 

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#夢を語ってみた

ちょっと熱く語ってしまいました。