yandyandy’s diary

心臓リハビリテーション指導士から、心臓を持つすべての人へ

2022-01-01から1年間の記事一覧

心拍変動でストレスを知り、呼吸で整える

以前、紹介したサイト「はとらく」に掲載されている記事で 心臓病とストレスの関係について書かれているものがあります。 hatoraku.com 心臓とストレスの関係を考えた時に「心拍変動」について調べてみようと思いました。 ストレスとの付き合い方のお役に立…

心臓弁膜症啓発ウィークって知ってました?

2022年9月12〜18日の間、心臓弁膜症ネットワークという団体が 『心臓弁膜症啓発ウィーク』として啓発に取り組んでいました。 heartvalvevoice.jp ちなみに、この活動は日本だけではなくドイツ、オーストラリア、ブラジル、アメリカ、イギリスなど、世界中で…

先天性心疾患があっても飛行機に乗れる?

Twitterで見かけた質問が気になったので調べてみました。 大手航空会社で確認 JALのサイトを見ると、【航空機旅行が適さない状態】という項目があります。 先天性心疾患という記載はありませんが、心不全、チアノーゼ心疾患は当てはまる人がいるかもしれませ…

「はとらく」を知っていますか?

心臓病をもつ人のための就労メディア「はとらく」を知っていますか? hatoraku.com 成人先天性心疾患患者は年々増加し、後天性の心臓病は日本の死因第2位。 がんは2人に1人がなると言われていますが、心臓病も他人事ではありません。 心臓病があっても働け…

患者教育とコーチング

久しぶりの更新です。 コロナに罹患したり、子どもが風邪を引いたりとドタバタしていました。 そんな中でも、自分のやりたいことやできることを模索してました。 Twitterで最近呟き始めた「コーチング」が、今の自分に必要なものではないかと思っています。 …

ACHDの海外事情in Finland

http://jpccs.jp/10.9794/jspccs.35.18/data/index.html こちらの論文で、私の大好きな国フィンランドについて触れられていました。 気になったので、参考となっている論文を読んでみました。 登録しないと全文は読めないので、要約部分をDeepL翻訳を使って…

忘れてましたが、ふくらはぎを鍛える前に。

ストレッチをしっかりして、筋肉の柔軟性を取り戻してくださいね。 筋肉が硬くなっている状態では 筋肉の伸び縮みがしにくくなっています。 筋ポンプは伸び縮みがあってこその作用です。 一応、追記ということで。

第二の心臓、ふくらはぎを考える

第二の心臓と言われるふくらはぎ。 「血液の循環をよくするため、ふくらはぎを鍛えましょう!」というキャッチフレーズを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 ふくらはぎを鍛えることで得られる効果は、循環改善だけではありません。 今回は、ふく…

胸骨正中切開術の裏側

心臓の手術を経験した人の多くには、胸の中央に縦に走る傷跡が見られます。 この傷跡を持つ人は、胸骨正中切開術という手術を経験しています。 術後は、痛みもあり切開した骨が癒合するまで強い力が入れられないなどの制限もあります。 目で見える位置に大き…

ピアサポートだけでいいの?

「ピアサポート」という言葉を聞いたことがありますか? 障害者やアルコール依存症などの病気、子育てに悩む親などが、同じ立場の人たちと悩みを相談し支え合う活動として知られています。 家族や専門家には相談しづらい事も、当事者同士であれば相談しやす…

親主体の移行期準備。その時、子どもは?

先天性心疾患の移行期は12~20歳と言われます。 その間に、小児循環器科から成人循環器科への転科準備を行います。 未成年であることもあり、その転科準備は親が主体となります。 しかし、生涯を通して医療と関わっていくのは当事者である子どもです。 移行…

自立への一歩は16歳

今回も先天性心疾患の移行期を考えます。 先天性心疾患の移行期には患者の自立が必要とお伝えしました。 yandyandy.hatenablog.com 自立に必要なことは、自身を理解し自己決定が出来ることです。 しかし、子供は親の保護責任下にあり最終決定は親の承諾を要…

移行医療を考える

『先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言』を読んでます。 http://sentenseishinshikkan2.pdf (umin.ac.jp) 今回は、この提言の内容を基に先天性心疾患の移行医療を考えてみました。 移行期っていつ? 移行期と言っても、何歳からが成人先天性心疾患(…

貧血と心臓を考える

女性に多く見られる貧血ですが、その原因は鉄分だけではありません。また、貧血は心臓にも影響を与えます。 貧血とは 貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が少なくなった状態です。血液は骨髄で造られ、全身に酸素や栄養分、ホルモン…

心臓突然死を考える

人には必ず死が訪れますが、それがいつなのかは誰にも分かりません。今日かもしれない、明日かもしれない。そんな不安に怯えながら生きていくのは、とても苦しいことです。でも、そんな不安も抱かぬまま亡くなってしまう人もいます。 それが『突然死』です。…

胸キュンにご用心

今回のテーマは『胸キュン』 私には大好きなアーティストがいて、今朝車内でその人の歌を聞いていたら胸がドキドキと高鳴って、グーっと胸が締め付けられる感じがしました。いわゆる『胸キュン』といわれるアレです。やっぱり好きだなぁ〜なんて幸せな気分だ…

エビデンスと個別性

成人先天性心疾患診療ガイドライン(2017)、心疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021)を勉強中です。ガイドラインというだけあって、かなりのボリュームなのでスマホの小さい画面ではなかなか疲れます。 ガイドラインにはエビデンスが…

お手軽体操はこれ。

心疾患を持つ人も、そうでない人も運動が大事だという事は何となく理解していると思います。でも、運動って難しいと思いませんか?少なくとも私はそうです。運動を勧めている立場ですが、自分は特に何もしていません。学生時代は体育の時間というものがあっ…

むくみ

むくみと聞くと、飲みすぎた次の日とか、立ち仕事している夕方に顔や足がパンパンになるイメージがありませんか?むくみは、医学的には「浮腫」と呼ばれ原因は多岐に渡り、むくみ方も様々なので病態把握が難しいものです。ですが、浮腫にも必ず原因があって…

ヘルプマークつけてる人いますか?

最近、よく目にするようになったヘルプマーク。 どんな人がつけているのでしょう。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173500.html 東京都から始まったんですね。 厚生労働省によると、このヘルプマークは、「義足や人工関節を使用して…

当たり前

人は産まれたら知らずうちに成長して、ある年齢になったら成人となり、そして知らずうちに老いて最期の時を迎えます。 これを当たり前だと思って生きています。 これが当たり前だと思っている人が社会を作っています。 当たり前って何でしょう。 先天性心疾…

自分の病気が気になったら

先天性心疾患を持って大人になっていく過程で、自分の病気や通っている病院に疑問や不安を抱いたら。そんな時に使える情報ツールがあると心強いですね。 https://j-achd.jp/ 厚生労働省から支援を受けて先天性心疾患を持って生きていく人たちのQOLや医療の発…

根治手術したら完治?

先天性心疾患のこどもは手術を何回も受けることがありますが、その多くは「姑息手術」と呼ばれ、出来るだけ侵襲を少なく心臓や肺の負担を減らしてあげる手術です。そこから「根治手術」を目指していきます。 根治(コトバンク)こんち・こんじ ① ものごとを…

心房中隔欠損症と心室中隔欠損症

先天性心疾患の中で、最も罹患率の高かった心室中隔欠損症と前回のブログで少し触れた心房中隔欠損症についてまとめてみました。 前回のブログはこちら。 yandyandy.hatenablog.com 心房中隔欠損症(ASD)とはどんな疾患? 胎児の心臓にある卵円孔が閉鎖せず…

産声の秘密

「出産は奇跡の連続」と言われますが、赤ちゃんがこの世に出てきて一番最初に起こす奇跡を知っていますか? それは「肺呼吸」です。 赤ちゃんが産まれてオギャーと泣いたあの瞬間、赤ちゃんの身体で何が起きているのでしょうか。 大人との心臓の違い 前提と…

先天性心疾患を知る

先天性心疾患には、どんな疾患があるのでしょう。 www.jhf.or.jp 心室中隔欠損症という疾患が、ほぼ半数を占めています。 この疾患は、心臓の右心室と左心室の間にある心室中隔という壁に穴が開いているのですが、穴の位置や大きさによって症状も治療、予後…

先天性心疾患を持つ人の就労

前回挙げた論文を読んでみました。 yandyandy.hatenablog.com 成人先天性心疾患の方の社会的自立に対する研究。 社会的自立、主には就労の部分を見ていきます。 まず2002年の論文から。 成人先天性心疾患を持つ当事者へのアンケート調査を実施。こちらでは、…

ACHDの就業・雇用 18年での変化

前回のブログでも少し触れましたが 成人先天性心疾患の方は非就労率が一般の方より低い。 これは2003年の論文から得た情報でした。 今回、また別の論文を見つけたので読んでみようと思います。 ひとつは2002年 JC39505 (jcc.gr.jp) こちらは2020年 ja (jst.g…

心臓を語る

私は、心臓リハビリテーション指導士という資格を持っています。 持っている、というだけで心臓リハビリテーションに携わっている訳でもなく仕事に活かされる訳でもなく。 それでも、5年ごとの更新をしているのはやっぱり心臓が好きだからで、久しぶりにテ…