yandyandy’s diary

心臓リハビリテーション指導士から、心臓を持つすべての人へ

2023年はシフトチェンジします。

新年が明けて10日が過ぎました。

ご挨拶が遅くなりましたが、今年も宜しくお願いします。

 

2022年にブログを始めて、見事に後半失速しました。

心臓について多くの人に知ってほしくて、情報発信の場として始めたブログですが

心臓の働きや心臓病について書かれたサイトは多く

病院や製薬会社のサイトであれば、信頼性も高くわかりやすい。

私は、そこから情報を集めてまとめる作業・・・。

その作業に意味を、価値を見出せずにいました。

 

そこで、もう一度自分のやりたいことを見つめなおしました。

心臓の勉強が好き。

その中で出会った先天性心疾患という分野。

医療の進歩により救命率だけでなく生存率もあがり

先天性心疾患をもつ子どもの95%以上が成人している。

成人先天性心疾患という新しい名前を背負い生きている人が

先天性心疾患の子どもの数を超えているという。

その人達は、社会で生きづらさを感じている。

学校や職場で病気に関する理解が得られにくい。

 

なんで理解してもらえないのか。

簡単な話、そもそもみんな病気について知らないから。

だったら、心臓病についてもっと知ってもらおう!

心臓について、先天性心疾患について情報発信していこう!

 

ここまでが、去年の私。

心臓病があることで生きづらい社会なら

社会の多数派の意識を変えよう!

 

多数派を動かそうとしていたのです。

今思うとすごいこと考えたな。

もちろん、これも誰かがやらなくてはいけないこと。

でも、私がやりたいことはもっと単純でした。

今社会で生きづらさを感じている成人先天性心疾患の人達に寄り添いたい。

ブログを読み返すと、所々で熱く語っています。

 

yandyandy.hatenablog.com

 

病気があっても自分らしく生きていけるように。

じゃぁ、自分らしさってなんなの?

それは、病気がない私も試行錯誤しているくらいわからないもの。

だから、一緒に試行錯誤して生きていく人を増やしたい。

心臓病があるけど、なんかしたいな。

そんな気持ちがあれば、精いっぱい寄り添いたいなと思っています。

 

つまり、私が情報発信するターゲットは

病気がない人 ⇒ 先天性心疾患をもつ人

こっちなんだと気づきました。

 

私は理学療法士、心臓リハビリテーション指導士です。

身体と心臓の知識があります。

それと同時に、女性であり、妻であり、母でもあります。

それなりに経験を重ねてきています。

 

自分らしさを模索するために、アロマ、ハンドリフレクソロジー、西洋占星術ホロスコープを使った星読み)、コーチング(独学)など勉強中です。

 

これらの知識や経験をもって、成人先天性心疾患をもつ女性、先天性心疾患の子どもをもつお母さんたちの相談窓口、かけ込み寺になれるよう頑張ります。

そんなコミュニティを作っていく予定です。

 

同じ病気を持つ者同士のピアカウンセリングも大切ですが

病気を持たない人への相談、対話も大切です!

他の人と比較しない、その人の人生のために。

 

こんな感じでやっていきますので、宜しくお願いします。

 

追伸

成人先天性心疾患と心臓リハビリテーションの現状に関して、Twitterでアンケートを取っています。今後、個別でお話聞かせてもらうことが可能な方は是非コメント、DMください。

心拍変動でストレスを知り、呼吸で整える

以前、紹介したサイト「はとらく」に掲載されている記事で

心臓病とストレスの関係について書かれているものがあります。

hatoraku.com

 

心臓とストレスの関係を考えた時に「心拍変動」について調べてみようと思いました。

ストレスとの付き合い方のお役に立てればと思います。

心拍変動とは?

「心拍変動」という言葉を聞いたことがありますか?

名前の通り、心拍が変動することを言います。

心拍が変動=不整脈のイメージですが、少し違います。

 

心拍は一定ではない

実は、心臓がドクンッ、ドクンッと拍動するタイミングは一定ではなく、わずかに変動しています。

これは、数ミリ秒という単位なので心電図上で確認できる程度です。

下図の大きな上向きの波形が心拍で、毎回少しずつ長さが違っています。

この変動を『心拍変動(Heart Rate Variability/HRV)』といいます。

これは、洞調律のときに見られる自発的な心周期の変動であり、期外性収縮やブロックに起因する変動や、外的な刺激に対する変動は心拍変動に含まれません。

https://mental-plus.jp/heartcoherence/

心拍変動の代表は、呼吸性洞性不整脈です。

これに関しては、説明が長くなるので別の機会にお話したいと思います。

心拍変動でわかること

心拍変動は、自律神経活動の指標とされています。

心拍の速さ(≒心拍数)は、自律神経の交感神経と副交感神経で調整されています。

車で例えると交感神経は「アクセル」、副交感神経は「ブレーキ」です。

心拍が速くなると、副交感神経がブレーキをかけます。

同様に副交感神経により心拍が抑えられると、交感神経がアクセルをかけ活動を促します。

心拍ごとにこのような調整が行われており、微妙な変動が起きているのです。

この変動の大きさにより自律神経のバランスが取れているのかを確認できます。

特に心拍変動が大きくなるのは、副交感神経の働きと言われており

ストレスにより交感神経の働きが強くなると心拍変動は小さくなります。

 

このことから、心拍変動の大きさを知ることで

今、自分がストレスを感じているのか、リラックスしているのかが分かります。

 

心臓病との関係

心筋梗塞や冠動脈疾患、心不全患者では、心拍変動は小さくなると言われています。

これは、交感神経活動が強く心臓への負担がかかっているからだと思われます。

交感神経の過活動は、致死性不整脈の発生に密接に関係していると言われており注意が必要です。

http://j-ivfs.org/wp-content/uploads/2017/02/vol27-1.pdf

 

心臓病の人は、交感神経の活動が高まりやすい傾向にあります。

その為、ブレーキをかけてくれる副交感神経の活動をいかに高められるかが、ストレス対策として大切になります。

 

自分の心拍変動を知るには

最近は、Apple Watchでの心拍変動の計測が注目されています。

asabu-heart.com

Apple Watchでなくても、心電図が測定できるデバイスがあれば、アプリで心拍変動を解析することができます。

 

ストレスをコントロールするには

副交感神経の働きを高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

副交感神経はリラックスしているときに活動が高まるので、やはり家でのんびりしているのがよいのでしょうか。

ここで大切なのは、活動を高めることだけではなく交感神経との切り替えがうまくできることなのです。

その練習手段として多く用いられているのが、「呼吸法」です。

呼吸は、吸うときに交感神経が、吐くときに副交感神経が働くため、自律神経の切り替えの練習として適しているのです。

自律神経を整える呼吸法として腹式呼吸が有名ですが、ここでは心拍変動を意識した「コヒーレンス法(心臓呼吸)」を紹介します。

https://www.mental-plus.jp/pdf/coherence_guide.pdf

ハートマス研究所が推奨しているもので、心拍変動のバイオフィードバックを用いて練習していくことができるデバイスも開発されています。

心臓に意識を置く部分が、普通の呼吸法と違い個人的に気になっています。

 

しかし、私は呼吸が大の苦手なのです。

こういう呼吸法を実践すると、だいたい苦しくなってしまいます。

原因を自分なりに考えた結果、呼吸は意識してはいけないと分かりました。

 

※以下は個人的意見なので、参考程度に見てください。

「〇秒吸って、〇秒で吐く」とありますが、これに忠実に従う必要はないのです。

副交感神経を働かせるなら、吐く方に意識を集中させる程度でいいのです。

無理に吐ききろうとすると、それは強制呼気となり腹筋など多くの筋肉を使うことになります。

つまり、筋トレしている状態なので交感神経が働いてしまいます。

 

本来、呼吸は無意識に行われているものです。

それを意識的に変えることは、自律神経を自ら乱しにいっている気がします。

普段の自分の呼吸を知り、そこに意識を向ける。

 

自分の呼吸を俯瞰する。

 

これが呼吸練習として一番難しく、一番大切だと思います。

 

まとめ

心臓の負担を測る指標として血圧や心拍数がありますが、心臓へのストレスの指標として心拍変動を知ることもおもしろいと思いました。

ストレスとの付き合い方は個人差もあり難しいですが、呼吸は個人的に簡便で有効だと感じています。難しい部分でもありますが…。

心臓ともストレスとも上手に付き合っていきたいですね。

 

心臓弁膜症啓発ウィークって知ってました?

2022年9月12〜18日の間、心臓弁膜症ネットワークという団体が

『心臓弁膜症啓発ウィーク』として啓発に取り組んでいました。

heartvalvevoice.jp

 

ちなみに、この活動は日本だけではなくドイツ、オーストラリア、ブラジル、アメリカ、イギリスなど、世界中で行われているようです。

活動の中心は、様々な国の心臓疾患関連の患者団体連合組織『Global Heart Hub』です。

globalhearthub.org

 

心臓弁膜症啓発ウィークは終わったのに、なぜこのテーマかと言うと…

啓発されたのかよくわからないからです。

この啓発期間、皆さんは心臓弁膜症について誰かと話しましたか?

どのくらい「心臓弁膜症」という言葉を目にしましたか?

 

私は、Twitterとインスタグラムで目にしました。

それは、心臓弁膜症ネットワークをフォローしているので、タイムラインに流れてきたからです。

 

啓発ウィークが終わっても、心臓弁膜症について興味を持ってもらえるように

リンクを入れながら書いてみようと思いました。

どのタイミングでもいいので、是非リンクから「心臓弁膜症」を覗いてみてください。

 

心臓弁膜症とは?

心臓弁膜症ネットワークによると

心臓弁膜症は、心臓の弁のうち1つ以上の弁の摩耗、病気、損傷のいずれかによって引き起こされ、心臓を通る血液の流れに影響を与えます。また、生まれつきの場合もあります(先天性心疾患)。

 

心臓は4つの部屋にわかれています。

そして、その部屋に血管を通って血液が出入りしています。

その部屋の入口と出口にあるのが、『弁』です。

https://heartvalvevoice.jp/knowledge/

そして、この弁が開いたり閉じたりすることで血液を循環させています。

心臓弁膜症は、大きく『狭窄症』と『閉鎖不全症』の2つにわかれます。

狭窄症

弁の開きが悪く、血液の通り道が狭くなっている状態です。

血液の通り道が狭いため、送り出される血液の量が少なくなります。

また、狭い通り道に血液を押し込もうとするため心臓の筋肉に強い負荷がかかり、肥大してしまいます。

閉鎖不全症

弁がうまく閉じず、血液が本来流れる方向から逆流してしまう状態です。

閉鎖不全症では、押し出された血液が逆流します。

逆流した分、送り出される血液量は少なくなってしまいます。

それを補うために、心臓は更にがんばってしまい負担がかかります。

 

心臓弁膜症の基礎知識をもっと詳しく知りたい人はこちら!

heartvalvevoice.jp

 

先天性心疾患の心臓弁膜症

心臓弁膜症啓発ウィークの対象は主に65歳以上の人でした。

しかし、先天性心疾患としての心臓弁膜症も忘れてはいけません。

肺動脈弁狭窄症はほとんどが先天性

弁膜症の中で、狭窄症を起こす原因の多くがリウマチ熱や加齢による石灰化です。

しかし、4つの弁の中で唯一肺動脈弁に関してはその原因のほとんどが先天性によるものだそうです。

先天性心疾患の中でも、心室中隔欠損に次いで多い疾患です。

https://www.jhf.or.jp/check/child/syurui/

子どものときに軽症でも、成長していく中で症状が現れることがあります。

日本人の加齢による心臓弁膜症は、僧帽弁の狭窄・閉鎖不全症が多いといいます。

先天性の肺動脈弁狭窄症と、加齢による僧帽弁の弁膜症を併発すると

心臓への負担はさらに大きくなり、心不全を発症する危険があります。

 

テーマは『あなたの心臓の声を聴こう』

心臓弁膜症啓発ウィーク特設ページで示されているキーメッセージを見ると、

心臓の異変に自分で気付くことの大切さを感じます。

心臓弁膜症は、加齢が原因のひとつとして挙げられます。

そのため、65歳以上の方は注意が必要です。

定期的な健康診断も大切ですが、自覚症状を見落とさないことが重要です。


息苦しさ、疲労感を歳のせいにしていませんか?

めまいは寝不足や疲れだと決めつけていませんか?

 

これらの症状は、心臓弁膜症のサインかもしれません。

『歳のせい』と見過ごさず、一度受診をしてみましょう。

 

また、成人先天性心疾患の人は息苦しさや疲労感など

症状に慣れてしまっていることもあります。

いつもより息苦しい、手が冷たい、

症状が落ち着くまでに時間がかかるなど、少しの変化を

『いつものこと』と見過ごさず、主治医に相談してみましょう。

 

まとめ

心臓弁膜症だけではなく、心臓病の普及啓発は今後も必要です。

ですが、啓発活動はとても難しいものです。

興味がない人の目にいかに触れるか、触れる頻度が大切です。

また、マーケティングでは「16%の法則」があると聞きました。

ターゲットとする層の16%に認知されると、一気に拡散していくそうです。

どうか少しでも多くの人に届きますように。

先天性心疾患があっても飛行機に乗れる?

Twitterで見かけた質問が気になったので調べてみました。

 

大手航空会社で確認

JALのサイトを見ると、【航空機旅行が適さない状態】という項目があります。

先天性心疾患という記載はありませんが、心不全、チアノーゼ心疾患は当てはまる人がいるかもしれません。

適さないという表記なので、医師の診断書等があれば搭乗は可能と思われます。

www.jal.co.jp

この他、PaO2(動脈血酸素分圧)が約70torr未満の場合には飛行中の酸素吸入をお願いしているようです。

www.jal.co.jp

 

ANAも同じような内容でした。

https://www.ana.co.jp/share/assist/pdf/shindan.pdf

 

どちらの航空会社も、医療用酸素ボンベの持ち込みは可能です。

診断書の提出が必要になりますので、事前に問い合わせてみてください。

また、有料での医療用酸素ボンベの貸し出しも行っています。

こちらも併せて確認してみるといいと思います。

 

飛行中の機内は、地上と同じ?

飛行機は地上からおよそ1万メートルくらいの高さを飛びます。

高度1万メートルの上空は、

地上の気圧が1気圧に対して、

飛行機の外の気圧は0.25気圧

気温は、マイナス40度~マイナス55度。

湿度は0%に近い状態です。

 

では、飛行中の機内はどうでしょう。

ANAのサイトで詳しく書かれていますが、

機内の気圧は0.7~0.8気圧で、富士山の5合目くらいに相当する気圧です。

離着陸の際には、集中的に気圧の変化が生じるため

航空性中耳炎を起こすことがあります。

飛行機に乗ると耳が痛くなるというアレです。

 

機内の酸素分圧は地上の約70~80%に低下しています。

温度は22~26度で保たれていますが、

湿度に関しては飛行時間が長くなるにつれて下がっていくそうです。

長時間の飛行になると20%以下まで下がってしまうそうです。

心疾患を持つ人は、この乾燥による脱水に注意が必要です。

 

気圧の変化が身体に及ぼす影響

気圧が低いと身体にどのような影響が起こるのでしょう。

自律神経が乱れる

気圧が下がると、身体に対して外からの圧が減ります。

すると、血管が膨張し浮腫みやすくなります。

これに対して、血管を収縮させようと交感神経が働きます。

(詳しくはこちら

zutool.jp

心疾患を持つ人にとって、この交感神経の過剰な働きは心臓への負担となります。

 

酸素が取り込みにくくなる

気圧が下がると、空気中の酸素が少なくなります。

健康な人では気にならない程度ですが、

元々チアノーゼがあったり、血中酸素飽和度が低い人は注意が必要です。

心臓への負担だけでなく、低酸素血症となる危険があります。

そのため、航空会社でも酸素吸入をお願いしているのでしょう。

 

少しでも不安があれば、医師に相談。

飛行機で旅行や帰省は、とても楽しいものです。

普段とは違う環境の中で、身体がどのような反応をするか

最初は不安だと思います。

短時間の搭乗なら大丈夫なのか、

酸素吸入していれば長時間でも可能なのか、

酸素はどのくらい増やしたらよいのか、

気になる事は医師に相談して、楽しい飛行機デビューにしましょう。

「はとらく」を知っていますか?

心臓病をもつ人のための就労メディア「はとらく」を知っていますか?

hatoraku.com

 

成人先天性心疾患患者は年々増加し、後天性の心臓病は日本の死因第2位。

がんは2人に1人がなると言われていますが、心臓病も他人事ではありません。

 

心臓病があっても働けるところはあるのかしら。

治療にお金がかかるのにどうしたらよいのだろう。

 

そんな悩みに対して、はとらくがお役に立ちます!

就労に関する制度や、心臓病をもって働くために必要な知識など

様々な専門知識をもつライターが記事を寄せています。

その他にも、心臓病をもつ当事者の方々のコラム記事は、共感できるものが多いのではないでしょうか。

実際に働くなかでの悩みや、心臓病をもって生きていくとはどういうことなのか、

当事者でない私にとっては、とても興味深く勉強になるものばかりです。

 

人生の中で、働くことが全てではないと分かっています。

日々忙しく働いていると、仕事なんてやりたくないな~とも思います。

でも、仕事を失った今、働きたいと思っている自分がいます。

もちろんお金が欲しいという理由もありますが。

でも、それだけじゃない気がします。

 

働くことに、自分はなにを求めているのか。

自分にとって働くってどういうことなのか。

働くことで、どんな自分になりたいのか。

 

私は、自己肯定感が低め、承認欲求強めの人間です。

私にとって仕事は、誰かに求められて、ありがとうと感謝されて

さらにお金が貰えるという、自分の欲求を満たしてくれるものです。

 

みなさんにとって働くとは、どんな意味を持ちますか?

 

患者教育とコーチング

久しぶりの更新です。

コロナに罹患したり、子どもが風邪を引いたりとドタバタしていました。

そんな中でも、自分のやりたいことやできることを模索してました。

 

Twitterで最近呟き始めた「コーチング」が、今の自分に必要なものではないかと思っています。

そして、このコーチングを医療従事者が使いこなせたら、最強の治療ができるのではないかと思っています。

 

心臓病や呼吸器疾患、糖尿病などの内部疾患に対するリハビリテーションでは、『患者教育』が必要と言われています。

これは、再発予防はもちろん、患者さんのQOLを上げるためにも重要な位置付けとなっています。

 

私も理学療法士として患者さんと接している中で、様々な患者教育を実践してきました。

病気について説明したり、必要なリハビリがどんなことか理解してもらったりは勿論のこと。

運動習慣が必要な方には、習慣化できるようスケジュール表やチェック表を作成して渡したり、動くときに注意が必要な人には、注意点を紙に書いて部屋に貼ったりしました。

また、心臓リハビリに携わっていた際には、心臓病に関する冊子に加え、血圧や食事内容を記載できるノートを作って渡していました。

 

再発予防に関して勉強して、試行錯誤していましたが、うまくいった!と思える経験はほとんどありませんでした。

行動変容というのは本当に難しい。

特に高齢者の方々は、今までの人生経験の中で自分を確立されており、「いまさらねぇ〜」「先は短いから好きなようにするよ」という方が多いのです。

そして、再入院。

 

正直、嫌になりました。

医療者は適切な行動を提示しているのに、それをやらずに悪化させる。

行動変容には内因的な動機づけが必要と言われても、どうすればいいのかが分からない。

そして、医療者が患者さんを「教育する」という言葉。偉そうに…なんて。

 

そして、今回コーチングを知りました。

以前から名前は知っていましたが、なんとなく胡散臭くて(ごめんなさい)敬遠していました。

そんな中、友人からコーチングの練習をさせて欲しいと言われて体験しました。

それをきっかけに何となく調べてみたら…

 

これだ!!!

 

私に足りなかったもの。

今までの私は、患者さんに対して与えすぎていたのです。

患者さんの中にある目標や思いをちゃんと引き出せず、想像して動いていたのです。

正しいと言われている道に患者さんを連れて行こうと必死だったのです。

 

でも、違うんですよね。

まずは自分の中にある「どうしたい。どうなりたい。」に気づいてもらわないといけない。

病気を持って生きるってどういうことなのか、自分の中で考えてもらわないといけない。

考えても分からないこともあるけど、そこに気づくことが大切。

分からないならどうしたらいいのか、どんな選択肢が自分にはあるのか。

あるコーチが言っていたこと。

起きてしまった事実は変えられないけど、その事実にどんな意味をもたせるか、自分がどう捉えるかはいつでも変えられるのです。

病気になった事実は変えられないけど、それをどう捉えるかは自分次第。

 

コーチングは、目標を持って進む人を応援するスキル。

でも、その目標を見つけられないっていう人は、目標を見つけることが目標になるんです。

だから、コーチングは誰にでも適応はあると思います。

ただ、カウンセリングとか違うので精神疾患を持っている方は難しいかもしれません。

 

心臓病を持っているけど、自分の人生を自分の足でしっかり歩いて行きたい!

できないことだけに縛られたくない!

やりたいことがあるけど、踏み出せない。

やりたいことが分からない。

もし、コーチングのスキルをしっかり取得できたら、心臓病を持ちながらがんばって生きている人たちを応援できるんじゃないかと思ってます。

コーチはクライアントの伴走者。

一緒に歩いていけたらいいな。

 

でも…高いのよ、受講費(泪)

現実に引き戻されたところで、今回は終わりです。

#心臓病

#コーチン

#患者教育

ACHDの海外事情in Finland

http://jpccs.jp/10.9794/jspccs.35.18/data/index.html

こちらの論文で、私の大好きな国フィンランドについて触れられていました。

気になったので、参考となっている論文を読んでみました。

登録しないと全文は読めないので、要約部分をDeepL翻訳を使って訳してみました。

 

フィンランドにおける小児心臓手術の長期成績:学歴、職歴、配偶者の有無、親子関係について』 

https://publications.aap.org/pediatrics/article-abstract/112/6/1345/63544/Long-Term-Results-of-Pediatric-Cardiac-Surgery-in?redirectedFrom=fulltext?autologincheck=redirected

 

【対象と方法】

フィンランドで先天性心疾患の手術を受けた成人患者3789人を対象にアンケートを郵送した。

そのうち、2896名(76%)がアンケートに回答した。患者の平均年齢は33歳(範囲:18~59歳)で,最初の手術は9~46年前に受けていた。

【結果】

患者の教育水準は予想と同等で、雇用水準は予想より高かった(66%に対して70%)

彼らは一般人口と同じ頻度で安定した交際をしていたが、患者の中で親となっている数は予想より少なかった(49%に対して47%)。

患者の子供2697人における先天性心疾患の発生率は2.4%であった。

※( )内は自分で訳したのでご指摘あればお願いします。

【結論】

この結果から、外科的に治療された先天性心疾患患者は、高い生存率に加えて、精神遅滞の原因となる他の症候群がなければ、長期の心理社会的転帰が良好であることが確認されました。

 

アンケート内容が分からないので、なんとも言えませんが…

フィンランドでは、学歴、職歴において特に困難さは示されていないようです。

安定した関係を結婚と考えると、配偶者はいますが子どもを育てている人は少ないようです。

しかし、フィンランド出生率はこの10年間低迷しており社会的に子どもが少ない状況です。

また、結婚率よりも離婚率が高く6割は離婚しています。

これらを考えると、病気の影響がどこまであるのか不明です。

親子関係に関しては読み取れませんでした。

 

以上、フィンランドにおけるACHD情報でした。